上社御柱山出し
かみしゃおんばしらやまだし
御柱祭は7年目ごとに行う諏訪大社の式年造営。干支で寅と申の年にあたる年に行われる。
諏訪地域には4つの諏訪大社があり、諏訪市には上社本宮、茅野市の上社前宮、下諏訪町の下社秋宮、下社春宮。
御柱は神の寄り代として、それぞれの諏訪大社の4隅に立て、その昔は社殿の建て替えまでをしていたという。
上社と下社、それぞれに山から大きなモミの木を運び出す「山出し」と、それぞれの諏訪大社まで曳行し柱を立てる「里曳き」があり、「山出し」と「里曳き」は3日ずつ。
上社と下社で合計12日間、8本の柱が立てられる。
上社御柱は4月第1週。
茅野市と原村の境にある綱置き場から約12キロ。
木遣りの歌と、ラッパの音、それに合わせるように掛け声を上げながらの曳行。
諏訪大社上社の御柱の特徴は、柱の前後に取りつけられた「メドテコ」と呼ばれるV字型の木で、氏子が乗っておんべを振り、非常に賑やかな曳行が行われる。
見せ場となる木落としは茅野市宮川小学校の近く。
最大斜度で30度、40メートルあまりの急坂を、メドテコに氏子が乗ったまま滑り落ちる。
木落としと言うと、下社が注目されるが、高さのあるメドテコにしがみつく氏子の姿は臨場感と迫力がある。
落とされた御柱は、そのまま集落を曳行し、40メートル以上の川幅がある宮川を渡る。
木遣り歌が謡われ、掛け声とともに川に落とされる御柱。
川底は最深部で2.5mもあるそうで、御柱を曳くのに使う綱を向こう岸へ渡すために、氏子はその深さへ飛び込む。
川は堤防も整備され、とてもきれいな状態になっているが、御柱を曳行するには堤防の斜面も難所になる。
1時間以上かけて川を渡り、5月の里曳きまで、御柱は「御柱屋敷」で時季を待っている。