白山社奥宮
はくさんしゃおくみや
飯田市上飯田
飯田市の白山社は里宮と奥社に分かれ、奥社は里社背後の風越山頂の直下に建っている。
白山社に附属して建てられた、旧白山寺の記録には718年が草創であると伝えられている。
風越山は1535mほどの信州百名山の一つで、登山マラソンが開かれたりと飯田市のシンボル的な山となっている。
里宮から続く登山道には無数の石仏が置かれている。
鳥居の手前には、弓の名手が風越山の対面にある神之峰から放った矢が、ここまで届いたという伝承に由来して矢立木という大きな矢が2本置かれている。
登山道に置かれた鳥居は、額に「風越山」と刻まれた木製の両部鳥居。
鳥居を過ぎると、道は狭くなり左右は急な斜面、岩を削って造られた石段が続く。
奥宮の前には江戸時代に建てられた随身門がある。
全体を赤く塗られた随身門は切妻造で、戸の両側の円柱には内側を向いた唐獅子の木鼻を付けている。
正面上の虹梁の真ん中は、前面は唐松と鳩の彫刻が施された蟇股となっている。
左右の格子の中には小さな随身像が置かれている。
随神門から石段を上がった先にある社殿は、弊殿・拝殿、そこに一体となった本殿が建てられている。
弊殿・拝殿は、1731年に建てられ、その際に本殿の向拝の側面が板壁と板戸で塞がれたという。
そのため内部の様子は見れなくなっているが、正面の彩色がとても良い状態で保存されているそうだ。
本殿の特徴は、禅宗様が多く取り入れられている点といわれている。
向拝の柱の上にある組物は、前後に一手ずつ桁が3本かけられており、左右には二手分の広がり、二段目の肘木の上には5つの斗が並んでいる。
肘木鼻や頭貫鼻に付けられた雲紋のような絵様や、肘木鼻などにある渦を反対側まで延ばした絵様など、かなり前の年代に取られた形として考えられている。
所在地 | 飯田市上飯田 |
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ホームページ | なし |
祭神 | 伊弉諾命・菊理姫命・大己貴命 |
本殿 | 国指定重要文化財 永正6年(1509) |
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大工 | 窪田長右衛門 |
建築様式 | 三間社 流造 柿葺 |
弊殿・拝殿 | 市指定文化財 享保16年(1731) |
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大工 | 宮下半助尉氏 |
建築様式 | 入母屋造 鉄板葺 |
随身門 | 市指定文化財 安永4年(1775) |
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大工 | 松沢冶三郎・松尾町の内藤首八ら |
建築様式 | 三間一戸 切妻造 鉄板葺 |