白山神社
はくさんじんじゃ
飯山市大字照岡桑名川
戦国以前の
様式を残す神社
白山神社は飯山市の深く、桑名川地区の山の中に建っている。
すぐ近くをJR飯山線が通り、この地区の小学校、名立神社が建っている。
白山神社そのものの社殿が、山の中の本殿一棟と覆屋のみとなっているために非常に視界が悪く、見上げて場所を確認することが出来ないため、小学校脇の名立神社がよく目に付く。
参道を登り、覆屋の中に建つ社殿は一間社隅木入春日造。
桁行きの寸法が約2尺ほどの小規模なもので土台の上に建てられている。
建築年代が明らかで、各細部がよく残っているため、早くから覆屋内にあったと考えられている。
このことから応永のころの建築様式を良く知ることのできる建築物といえる。
特に、向拝の頭貫がまだ虹梁形になっておらず、頭貫木鼻上に皿斗を置いて高さを調節して連三斗とする一般の形式にならっている点。
他の県内の室町時代の社殿が左右に二手の広がりをもつ斗枡によって桁を支えるに至っていない点が古風な建築といえる。
ただ、斗?を前後に一手出し、向拝の桁を三本にするものとして最初のものであり、これが発展して県下に多くみられる三本桁行向拝になったことを知ることができる。
また、実肘木・木鼻の繰形も少し複雑化し、欄間彫刻や本蟇股の彫刻が入り、桁先を鯱形にするなど、社殿の装飾化がかなり進んでいる点も注目できるところといえる。
所在地 | 飯山市大字照岡桑名川 |
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ホームページ | なし |
本殿 | 国指定重要文化財 応永32年(1425)棟札 |
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大工 | 右衛門大夫入道沙弥道安小工弥太郎 |
建築様式 | 一間社 隅木入春日造 栃葺 |