別所神社
べっしょじんじゃ
上田市別所温泉2338
湯治客や観光客で賑わう上田市の別所温泉の北方に建つ。
すぐ隣には常楽寺があり、小高い丘の上に建っているため、塩田平や浅間山が一望できる。
もともと、熊野社と呼ばれており、和歌山の熊野本宮大社から分祀されたと伝えられているが、明治11年に現在の別所神社へ改称されたという。
別所は、その地形から集落全体が坂になっている土地。
坂道が続く常楽寺への参道の横に、別所神社の鳥居は建っている。
祠に男石、女石、子宝石が祀られていることから、縁結びの御利益があると言われ、後の時代に、鳥居の額には「本朝縁結大神」の文字が書かれたという。
拝殿の後ろに建つ本殿は、18世紀後半に建てられた一間社の春日造。
熊野神社でよく用いられる建築様式で、特に別所神社の本殿は彫刻が非常に多く施された華やかなものとなっている。
社殿の後ろには3つの祠があり、これは縁結びの神を祀ったものとされているが、本殿より遅れて祀られたと考えられている。
建築を手がけた末野氏は、塩野神社本殿も手がけており、この時代の東信地域随一の棟梁と言われている。
同じ年代の大工として、立川流や大隅流があるが、末野氏は江戸時代初期からの伝統的な大工として作風が古風と言われているという。
18世紀の神社建築としては社殿も大きく、特に背面の妻面にある波と蛙股は他には見られない彫刻となっている。
神楽殿は、切妻造の大型の建物で、前面の壁が無いため、迫力のある大きな梁が見られる。
内部は、天井が無いので、屋根を構成する横架材を見ることができる。
建て物の脇は山の斜面となっているため、塩野平を眺めることができ、この景色を楽しむ観光客も多いようだ。
所在地 | 上田市別所温泉2338 |
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本殿 | 市指定文化財 天明8年(1788)棟札 |
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大工 | 末野庄兵衛安定 |
建築様式 | 一間社 隅木入春日造 瓦葺 |