駒形神社
こまがたじんじゃ
佐久市塚原
佐久市の下塚原から塩名田地区へと続く街道沿いの崖の上に建っている駒形神社。
この神社が建てられた中世には、佐久平の広い台地を利用した馬の産地として牧場が多く営まれていたという。
もともと駒形神社は山形や宮城に建てられているものが知られており、祭神は馬の守護神とされている。
こちらの駒形神社の創建や時代は明らかになっていないというが、信濃国の牧に由来するものと考えられている。
立地は崖の上に建っているため、塩名田からの坂道を上り神社の入り口にたどり着く。
付近の道路から、神社の社地へ橋が架けられており、その先に石段と鳥居、石段を登り切ったところに、社殿が建っている。
切妻造妻入の拝殿の背後には、覆屋が掛けられており、本殿は覆屋の壁面の格子から様子を見ることができる。
本殿はあまり規模の大きくない一間社の流造。
前方と左右に縁が巡らされており、脇障子と浜床、土台が組まれた上に柱を立てている。
母屋の柱は円柱となっているが、縁から下の部分では八角形の柱を使っている。
棟は箱棟で鬼板に鬼面をつけ、屋根は栃葺となっている。
組物は肘木上に水繰があり、下が円弧の禅宗様となっているが、この形の肘木は室町時代後半の長野県内には多く見られるという。
頭貫木鼻は連三斗となっているため、柱外面からの丈を高くして、禅宗様の渦だけではなく、その上部に薄肉の絵様を造り出している。
この絵様の形は場所ごとに全て違っており、一番整った形のものは、宝珠の下に開いた蓮弁を描いたように見えるという。
これと類似のものに新海三社東本社の木鼻があるが、この方は宝珠様のものはなく、笹の葉のような形をしている。
所在地 | 長野県佐久市塚原 |
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ホームページ | ナシ |
祭神 | 騎乗の男女二神像 |
本殿 | 国指定重要文化財 文明18年(1486)文書 |
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大工 | 藤原弥左衛門 |
建築様式 | 一間社 流造 栃葺 |