釈尊寺白山社
しゃくそんじはくさんしゃ
小諸市大字大久保2249
善光寺の伝説を残す
断崖の寺
布引観音で知られる小諸市の釈尊寺。
切り立った断崖の合間を縫うように参道が続き、深い木々の中に静かに建っている寺社だ。
昔から「牛に曳かれて善光寺参り」の逸話で知られているところであり、境内には様々な観音が立ち、牛の石像が寝そべったりしている。
釈尊寺白山社 小諸市から東御市へ抜ける道路から、雑木の立つ険しい石段が並んでいる。
観光客が訪れる場所でもあるので、奇麗に整備されてはいるが、それでも石段をすべて上るのには体力がいる。
並べられた石段を踏みながら、参道を進むと山の中ほどに石の門が建つ釈尊寺に辿り着くことができる。
釈尊寺は「牛に曳かれて善光寺参り」の伝説が残る布引観音で知られており、724年に創建されたそうだ。
武田信玄の信濃侵攻の際に戦火によって消失し、1556年に滋野氏によって再建されたが、江戸時代の1723年にも炎上。
現在の伽藍の多くは、小諸城主の牧野康明によって再建されたものという。
小規模な春日造で屋根は板葺きで、妻側の棟には木製の鬼瓦。
正面の向拝の下には階段がなく、床板を高く貼って見世棚造の形式をとっている。
一般的な春日造の社殿では、向拝の柱だけを角柱にして、それ以外の母屋の柱は丸柱を用いることが多いのだけれど、立科町の駒形社本殿や、泰阜村の八幡社のように他の県内の社殿と同じように、この白山社でも角柱を全体に用いている。
建築的な特徴としては、組物が舟肘木となっており、曲線が船底形となっている。
また、母屋との繋ぎに和様の水平な虹梁を用いている。
和様の手法が良く使われているので、建築年代はかなり遡ることを示している。
所在地 | 小諸市大字大久保2249 |
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ホームページ | なし |
祭神 | 白山権現 |
本殿 | 県宝 室町時代中期 |
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建築様式 | 一間社 隅木入春日造 檜皮葺 一棟 |