麻衣廼神社
あさぎぬのじんじゃ
塩尻市贄川
およそ1000年前の天慶年間に創立された。
諏訪神社と同様の祭神を祀り、寅と申の年に5月に御柱が行われている。
社名になっている「麻衣廼」という言葉は、もともとは木曽の枕詞で、贄川のこの場所が「木曽の地」ということを表している。
市から文化財の指定を受けている社叢の中には、4本の御柱が建てられているが、他の諏訪神社のように社地の四隅ではなく、4本が横並びになっているところが珍しい。
1582年、織田勢が武田領内へ攻めん込む際、兵火にあい社殿が焼失。
その後、現在の位置に遷されて再建された。
現在の社殿は1747年に建てられたもの。
仁科神明宮など、大北地域で活躍が見られる金原氏の建築となっている。
覆屋の中にある本殿は、真っ赤な柿葺の三間社流造。
向拝に虹梁があり、中間の柱が省略されている。
彩色のわりに、目立った彫刻もなく、全体に素朴な様式とされており、妻飾には豕扨首。
母屋組物は平三斗、中備は本蟇股、向拝の虹梁木鼻は動物形式。
虹梁木鼻の動物は、室町時代に用いられた形式といわれており、江戸時代中期に建てられた建築としては、古い様式と言える。
その他にも、古い様式が見られる点としては、向拝の桁の下部分に、通肘木を作り、実肘木を用ていない。
江戸時代の建築としては、珍しい社殿といえる。
所在地 | 塩尻市贄川 |
---|---|
ホームページ | なし |
祭神 | 建御名方神・事代主命・保食命 |
本殿 | 市指定文化財 延享4年(1747) |
---|---|
大工 | 金原周防守 |
建築様式 | 三間社 流造 柿葺 |