仁科神明宮

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仁科神明宮

にしなしんめいぐう

大町市大字社1159

仁科神明宮

国宝 金原氏の建築

大町市の市街地より数キロ南の集落の中に建っている。
その社叢は天然記念物にも指定されており、非常に太く大きな杉が何本も聳えている。
仁科神明宮は、伊勢神宮と関係のある仁科御厨の鎮護のために勧請された社で、信濃に建立されている4社の神明宮のうちの一つとなっている。

仁科神明宮

仁科神明宮

仁科神明宮

集落を抜け一の鳥居をくぐり、社叢を抜けると石畳の敷き詰められた社地、社務所がある。
非常に静かで大きな杉に囲まれた社地は、広く落ち着いた雰囲気を楽しめる。
また、社地のいたるところに木造の祠が設けられ、仁科神明宮の祭神だけでなく、関連する神々も祀られてるところが見られる。

仁科神明宮

石段を上ると三の鳥居が建っている。
これは1993年に遷宮が行われた伊勢神宮の鳥居を移築され設けられている。
社地に入り、正面に神門が見られる。
通常、長野県内に建つ神社の多くは、鳥居を潜ると次に見られる社殿として拝殿が設けられていることが多いが、この仁科神明宮の場合、神門があり、次に拝殿、中門、釣屋、本殿という配置になっている。

仁科神明宮

拝殿は桁行三間梁間二間の切妻造となっている。
神門から1段上がったところに建つ形となり、格子戸で仕切られた内部に鏡などが安置され、拝殿の背後には中門が備えられている。

仁科神明宮

仁科神明宮

国宝に指定されている中門は切妻造の屋根に4本の柱が設けられた四脚門で、江戸時代中期の建築様式を残している。
大工は仁科神明宮本殿、若一王子神社本殿を建立した金原氏。
釣屋は本殿と中門との間を垂木、檜皮葺の切妻の屋根でつないだものとなっている。

仁科神明宮

中門の背後には、本殿と仮宮殿が建っている。
仮宮殿は、遷宮の際に祭神が祀られる仮の本殿とされ、遷宮時以外のときでも、本殿の背後に設けられている。

本殿は桁行三間梁間二間の神明造で、屋根を支えるための棟持柱を持っている本格的なものとなっている。
丸型の棟持柱は束石から縁板を抜け、棟木を直接受けている。
屋根は檜皮葺で、破風が交差するようにして屋根より上に伸びて千木になり、風切穴が彫られている。

仁科神明宮

仁科神明宮

仁科神明宮

本殿を支える柱は礎石から建っており、八角形に模られた自然石の礎盤に円柱を立てている。
安定を図るために足元貫、足固貫を通している。
四方に回る縁は榑縁で、前面に5級の木階を設けている。
棟木は一本で通されており、堅魚木が6本乗せられている。

仁科神明宮

仁科神明宮

とても大きく覆いかぶさるような社叢の中に、大きな素木造の社殿。
とても迫力のあり、落ち着きを感じられる神社となっている。

所在地大町市大字社1159
ホームページhttp://www.sinmeigu.jp/
祭神天照皇大神
本殿国宝
寛永13年(1636)
大工金原周防守
建築様式 桁行3間 梁間2間 神明造 檜皮葺
中門 国宝
寛永13年(1636)
大工金原周防守
建築様式四脚門 切妻造 檜皮葺

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